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連載コラム

通信制高校のあるべき姿とは

2010年8月17日

日野公三さん

日野公三さん
1959年生まれ。岡山大学法文学部経済学科卒業。
(株)リクルートに勤務後、経営コンサルタントとして独立。
インターネットを使った通信教育の商品化を推進し、1999年(株)アットマーク・ラーニングを設立。
2000年インターネットを全面導入した通信制高校、アットマーク・インターハイスクールを設立。
2004年内閣認定の教育特区認定を受け、9月国内の高校として認可された「美川特区アットマーク国際高等学校」を設置、校長に就任(現在は理事長)。
2009年4月「川崎特区アットマーク明蓬館高等学校」を設立、理事長に就任。

「勉強って自分でやるもんなんだ。」
「友達っていいねって感じられた。」
「先生って、話できる相手なんだ。」
「考える時間があるって楽だし、先のこと考えられるよね。」
「学校に行くときだけ勉強するんじゃなく、いつでもできて、ネットで送れるっていいね。」
「担任の先生がしょっちゅう気にかけてくれるし、返事を書いて送ってくれるし。」
「単位を半分くらい取れると大学進学のこと、まじで考え始めるんだ。
自分ってすごいな。へえ〜って。」
「親と自然な感じで話し合えるようになった」
「福岡の本校で4日間授業を受けないといけない、ってなんかよくわかんなかったけど、行ってみると、いい雰囲気なんだ」
......

「川崎特区アットマーク明蓬館高等学校(以下 明蓬館高校)」に通う生徒たちの言葉です。
明蓬館高校は、2009年に福岡県田川郡川崎町より「株式会社立学校」として認可されて誕生した、広域通信制課程の単位制、普通科(男女共学)の高等学校です。

一般に通信制高校では、入学してしばらくは学習の仕方がしっくり行かず、壁にぶつかりながら進んでいく生徒がいます。
でも、折り返し地点を過ぎる頃から将来の自分を考えて先生と進路を何度も何度も話し合い、はじめはリアリティが高くなかった高校卒業や、大学受験という目標に向けて、綿密な準備をしていくことになります。

それが、生徒自らの意思によるものならいいのですが、学校側の、とにかく卒業させなければ、大学に進学させなければ、という意図が根底にあるのだとしたら、果たしてそれが本当に生徒の幸せにつながるのだろうか、と疑問を感じざるを得ません。

明蓬館高校では、「この学校は単位を取り高校卒業資格を取る場所ではない」と規定しています。
もちろん、卒業資格は取得できますし、大学進学への道も開かれていますが、それが主目的ではなく、「これまでの人生を振り返り、これからの人生を考え、生徒自身の意思で、進路進学を見定め、コーチという名の先生と語り合える生徒のためになる高等学校」であることを目指しているのです。

前回も言いましたが、本校にくる生徒には、通常の高校に自分のやりたいものがないから、あえて通信制高校を選択したという生徒が少なくありません。

そういう生徒たちが、自分の意思で未開の自分を見つけられる学校でありたいと思いますし、それが通信制高校のあるべき姿ではないかと思っています。

冒頭の生徒たちの言葉は、その方向が間違っていないということを確信させてくれます。

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